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2025.11.17

日本の伝統衣裳“白無垢”とは

日本の花嫁を象徴する伝統衣裳“白無垢”。

純白の打掛は「清らかな心」や「新たなはじまり」を意味し、花嫁を凛とした美しさで包み込みます。

素材や文様、織りの表情によって一着ごとに異なる趣を持ちながらも、日本の美意識を映し出す存在。

本コラムでは、そんな白無垢に息づく伝統と、その美しさに込められた想いをご紹介いたします。

01. 白無垢について

02. 白無垢の選び方

―素材について

白無垢の印象を大きく左右するのが、生地の「素材」です。
素材ごとに風合いや艶、着心地が異なり、選ぶ生地によって佇まいにも個性が生まれます。

●正絹(しょうけん):絹 100%で織られた、最も格式の高い生地。上品な光沢としなやかな手触りが特徴で、自然な生成りの白色がやわらかな印象を与えます。保湿性・通気性に優れ、着心地が良いのも特徴です。
●化繊(かせん):ポリエステルなどの化学繊維を使用した生地で、鮮やかな純白を表現できるのが魅力。シワになりにくく扱いやすい一方で、天然素材に比べると風合いがやや硬く感じられることもあります。
●交織(こうしょく):経糸(たていと)・緯糸(よこいと)に絹と化繊を組み合わせて織った生地。正絹の上質さと化学繊維の扱いやすさを併せ持ったバランスの良さが魅力です。

―色について

白無垢と聞くと「真っ白な衣裳」という印象を持たれる方も多いですが、実は“白”にもさまざまな色味があります。

●純白:青みを帯びた透き通るような白。雪のような透明感があり、清楚で凛とした印象を与えます。明るい肌色の方や黒髪の方に映える色合いです。
●オフホワイト:純白よりもやや柔らかく、温かみを感じる白。日本人の肌になじみやすく、上品で穏やかな印象に仕上がります。
●アイボリー(生成り):黄みを帯びたやさしい白。自然な温もりがあり、肌を明るく見せたい方やナチュラルな雰
囲気を好む方におすすめです。

―柄(文様)について

白無垢の生地には、繊細な文様が織り込まれたり、刺繍が施されています。
その多くには「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と呼ばれるおめでたい意味を持つ柄が用いられ、ひとつひとつに願いが込められています。

●鶴:夫婦円満や長寿を象徴する吉祥の鳥。白無垢を代表する定番の文様です。
●鳳凰:高貴と繁栄の象徴とされ、古くから婚礼衣裳に用いられてきた格式高い文様です。
●松竹梅:松は不変と長寿、竹は成長と子孫繁栄、梅は新たな門出をあらわします。
●菊:長寿と高貴の象徴。皇室の紋にも用いられる由緒ある花です。
●桜:春の訪れと新しい人生のはじまりを象徴する花。華やかで可憐な印象を与えます。

白無垢を選ぶ際には、文様に込められた意味や願いを感じながら選ぶことで、一着の衣裳がより特別なものとなります。
また現代の白無垢には、伝統的な吉祥文様だけではなく、伝統を守りつつもデザインに工夫が加えられ、より華やかで洗練されたものも見られます。

03. 綿帽子と角隠しについて

04. 白無垢コーディネート一覧